ダウンと攻撃権:4回で10ヤード進む仕組み
NFL.jp 編集部読了 5分
中継画面の「3rd & 7」が読めるようになる記事です。ダウンの数え方、10ヤードをどこから測るのか、4回目にパントを蹴る理由までを図解つきで説明します。
画面の隅に「3rd & 7」と表示されます。この4文字が読めないまま観ていると、攻撃側が自分からボールを蹴って相手に渡す場面で、なぜ攻撃をやめたのかが分からなくなります。実況はそこで「4thダウン、パント」とだけ言って、次のプレーへ進んでしまいます。
この記事を読むと、「3rd & 7」の意味と、4回目の攻撃で何を選んでいるのかが分かります。結論から書きます。攻撃側には連続する4回の挑戦権があり、その4回で10ヤード進めれば、また4回に戻ります。
「3rd & 7」は「3回目の挑戦で、あと7ヤード」
1回のプレーをダウンと数えます。攻撃側にはこのダウンが連続で4回与えられ、この4回のまとまりを「一連のダウン」と呼びます。
表示の左側が「何回目のダウンか」、右側が「あと何ヤード必要か」です。「3rd & 7」なら3回目のダウンで、残りは7ヤード。前の2回で合わせて3ヤードしか進めなかった、という意味になります。数字の読み方さえ分かれば、攻撃側がどれだけ追い込まれているかは一目で判断できます。
では、その10ヤードはどこから数えるのでしょうか。
10ヤードの起点は、一連の最初のスナップ地点
10ヤードの起点は、一連のダウンが始まった最初のスナップ地点です。そこから10ヤード先に引かれた見えない線を「ラインtoゲイン」と呼びます。中継で画面に合成される黄色い線が、この線です。サイドラインの係員が持つ10ヤードの鎖(チェーン)も、同じ線を測るための道具です。
ゴールラインまでの距離が10ヤードに満たない場合は、ゴールラインそのものが目標になります。相手ゴールまで残り5ヤードの位置で「1st & 10」と表示されることはなく、そこは「1st & Goal」になります。
プレーが始まる線そのものにも決まりがあります。スクリメージラインは、審判がボールを置き直してプレーの準備が整った時点で、ボールの先端を通る縦の面として決まります。スナップの前にこの面を越えて相手側へ入ると、反則を取られます。
10ヤード進めば、また4回に戻る
4回のうちにラインtoゲインへ到達すると、攻撃側は新しい一連のダウンを得ます。これがファーストダウンの獲得です。表示は「1st & 10」に戻り、10ヤードの起点もその地点へ移ります。
10ヤードずつ区切って進むこの仕組みは、階段に似ています。自陣20ヤード地点から相手のエンドゾーンまでは80ヤード。1段10ヤードの階段を、8段のぼる必要があります。攻撃が長く続く試合は、この階段を1段ずつ確実にのぼっているということです。
4回目の選択は3つ
4回目のダウンで届かなければ、ボールが止まった地点から相手の攻撃が始まります。自陣の深い位置で失敗すれば、相手はゴールのすぐ手前から攻撃を始められます。だから多くの場面で、攻撃側は4回目を「使わない」判断をします。選択肢は3つです。
- パント:ボールを蹴って相手を自陣から遠ざけます。自陣側で残りヤードが長いときの標準的な選択です
- フィールドゴール(FG):ゴールポストを狙って蹴り、成功すれば3点が入ります。相手ゴールに近いときの選択です
- ギャンブル:4回目でも攻撃を続けます。成功すれば新しい一連のダウン、失敗すればその場で攻撃権が移ります
判断材料は、フィールド上の位置、残りヤード、点差、残り時間の4つです。相手陣の深い位置で残り1ヤードなら攻撃を続ける価値があり、自陣で残り8ヤードならパントが無難です。終盤に負けているチームがギャンブルを選ぶのは、攻撃権を失う損より、時間切れの損が大きいからです。
結論
「3rd & 7」は「3回目の挑戦で、あと7ヤード」。攻撃側は4回で10ヤードを積み上げ、届けばまた4回に戻り、届かなければ攻撃権を手放します。
次に中継を観るときは、3回目のダウンで残りヤードを確かめてみてください。残りが長ければ攻撃側はパスを選びやすく、守備側もそれを読んで下がって守ります。ダウンと残りヤードの組み合わせが読めると、プレーが始まる前に両チームの狙いが見えてきます。